「ローマ人の物語」を読むようになってから、

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) 新潮文庫/塩野 七生
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今の現状を過去の歴史と重ねて見ることが


習慣づけられてきた気がします。





例えば、ローマ時代は「全ての道はローマに続く」と


言われるほど道路(インフラ)構築に力を注いだ国だった


わけですが、会社経営におけるインフラとは何かとか。





優秀な人材を雇用するために戦争での


敗者を奴隷とするのではなく、敗者をも国に同化させて


元老院(国会)の議員にもしたことと、買収した会社の


経営をどうすべきか、とか。





これはローマ帝国に限らず、日本、中国などの歴史においても


いろいろと学ぶことは多い。


最近では、横山大輝のマンガ「史記」を読んでます。


史記 (1)/横山 光輝  ¥680 Amazon.co.jp




中学や高校生の頃には、歴史とは暗記科目であり


そこから何を学べるのか、という視点は


まったく無かった(気づかなかった)のですが、


今になってみると歴史から学ぶことは本当に多い。






また現状のビジネスを理解するうえで単に『今』だけを


見るのではなく、過去との連続性の中で捉えることで、


(これを僕はパースペクティブな視点と呼んでます)


将来を予測しやすくなる。





例えば、動画サイトって今の現状だけを切り出してみると


youtubeがすごいとか、動画共有サイトっていいよね、と


ミクロにとらわれがちだけれど、インターネットの歴史という中で


パースペクティブに見てみると



1.第一次動画ブーム


2000年頃にショウタイムなどの有料の動画サイトと


裏側ではアダルト系有料サイトがこの次に出てきた。


ここではいかにユーがー課金するかが重要だった。



2.第二次動画ブーム


kazzaやwinnyなどのP2Pでの動画共有が一気にでてきた


ものの、著作権侵害の問題もあり一気にアングラ化した。



3.第三次動画ブーム


2004年頃ブロードバンド環境が整ってきてユーザー数が増えて


くると、コンテンツを無料化して広告費でこれをまかなおうと


する、GYAOのようなモデルが出てきてユーザー数を一気に伸ばした。



4.第四次動画ブーム


web2.0が出てきてCGM型のユーザーが自分でつくって(若しくは


違法コピーして)動画をアップして、それを共有するタイプの


youtubeやamebaビジョン、mixi動画などの動画共有サービスが


出てきた。


またそれと連動する形で字幕inやニコニコのような既存の


動画に対するマッシュアップサービスも付随して出てきた。






抜けもれもあるかもしれないけれどこういう風に現状を


捉えることによって単にミクロ的な視点でものごとを


考えるのとはまったく違ったものが見えてくる。





ひとつは、ユーザー課金型モデルから徐々に


広告モデルへと変遷しているということ。


もうひとつがコンテンツ制作部分とデリバリー部分が


分化し始めているということ。





そのうえで次に将来どうなっていくか、ということを考えるときには


まずはこれと同じようなことが過去にあったかどうかを考えてみる。

例えばビデオが出てきたときの映画業界だったり、

最近のソフトウェアビジネスとsaasだったり。

例えばローマ帝国での職業軍人の扱いと比較してみたり。





歴史を学ぶことは単に過去を知るためではなく、


未来をよりよくしていくためにこそ勉強する意味がある。





■今日の名言


「ルールだけ守っていれば成功したと思いがちです。

これは内部の尺度であって、外部の市場とか

お客様といった尺度ではありません。」

(ルイス・ガースナー)