先日、昨年に会社に遊びに来た学生さんから


下記のような相談メールが来た。


ちょっと一部を抜粋して紹介します。



「プロフェッショナル」というものについてなのですが、何かの道のプロというのは、その世界しか知らないと言う人が多い様に感じます。逆に、他の世界が見えないから、そこに没頭できるのかとも思っています。

暗い部屋でろうそくが一本しか光っていなければ、それを見る様に。

ただそれがはたして良い事なのだろうかと考えています。僕は好奇心、興味というものが広く、悪く言えば散漫であると言えると思います。そんな自分が専門を学んでいる時に、葛藤が起こる事が有ります。

自分の軸足を置く事は大事だと思いながらも、周囲がいわいるろうそくが一本しか見えていない状況で、専門だけやれば良い、という人と、その専門の範囲内で勝負できるのか。

またそうではなく、もっと横断的な範囲で将来活躍したいなら、専門にどっぷりつかってしまっていいのか。

と考えることがあります。

少し、ぼやっとした質問で申し訳ないのですが、宇佐美さんは「プロフェッショナル」というもの、つまり世の中のエッジとなる部分の人とは、どういう人だととらえていますか?




本人には直接メールでも返信したのだけれど


似たような相談は今までに何度か来ていたので


ここで改めて僕の考えを書いておきます。





僕の定義では、プロフェッショナルとは、


別にひとつの専門分野を極めることではありません。


専門分野において期待される結果を出して


その結果に対してお金をもらえるような働きを


する人のことを「プロフェッショナル」と言う


のだと思います。


そのためには問題を解決するためには専門領域以外の


知識も必要だし、いろんな人の力を上手く引き出す力も必要。


ただこういったプロフェッショナルになるためにはやはり


ある程度の自分にとっての強みが必要だと思います。


そういう意味でまずは専門にある程度どっぷり浸かっても


いいんじゃないかなぁ。


重要なのはそこから何を学び、学んだ後に何をするかですから。





若いときはゴールまで『見た目の』直線距離で


自分のキャリアを考えがち。


もちろんそれはそれでゴールに辿り着けると思いますが、


実は一見遠回りに見えても回り道するほうが時間的に『早く』


辿り着けることもあります。





ちなみに僕の場合は、もともと起業志望で


コンサルティング会社に入って、戦略や


マーケコンサルを志望していましたが、


結局最初の2年間は経営とは全く畑違いの


システムコンサルティングをやっていました。


その当時は、なんて遠回りをしてるんだろうと


思ったものですが、今から振り返ってみるとその


ルートこそが最短時間だったのではと思います。





仮にその当時にシステムコンサルティングではなくて、


戦略コンサルティングをやっていたら、まだ起業に


至っていないかもしれません。


人生とはそんなものです。




自分のキャリアを考える際に距離的な短さと

時間的な短さは必ずしも一致しないもの。


しかも若いときにはなかなかそれに気づかない。




僕からのアドバイスとしては、まず2年間は

自分の武器を作るためにもある分野で

やり切ったほうがいいと思います。

どんな分野であれね。




最後にプロフェッショナルについてうまくまとまっている


ページと本を紹介します。


プロフェッショナルとは

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか/P・F. ドラッカー

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