なぜ現代の世の中には、貧しい国と豊かな国があるのか?
なぜある文化が他の文化を征服できたのか?
自分たちは当たり前過ぎて疑問すら持ちづらい
こんな素朴な疑問に対する答えがこの本の中にある。
- 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎/ジャレド ダイアモンド
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- 銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎/ジャレド ダイアモンド
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実は先日、「不都合な真実」についてのエントリーの中で
紹介した「文明崩壊」と同じ作者。
文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)/ジャレド・ダイアモンド
こちらの本はいかに文明が崩壊していったのかを
書いた本ですが、今回紹介する本はその逆。
いかに文明が発達していったか。
すごく簡単に書くと結論は、これらの差は単に
農業に適した地域、かつ東西に広がる地域に
住んでいたかどうかという地理的なものが原因に
過ぎないというもの。
農業に適した地域に住んでいることによって
狩猟採集民族から農耕民族への移行が可能となり、
より効率的に土地あたりの食料の生産性を高める
ことが出来た。
このような地域に住む人は組織化された社会で
分業体制を敷きながら新しい技術の開発に力を
注ぐようになり、結果としてこれらが相乗効果を
もたらしながらより高い文化(鉄、銃)を築くことになった。
また、農耕社会では野生動物を家畜化させることで、
更に高い生産性を得るようになったが、同時にインフル
エンザなど動物由来の伝染病に対しても抵抗力を
身につけることが出来た。狩猟や採集で生活する
人々にはそのような機会はなく、伝染病が征服者と
共に海を渡った際、新大陸の原住民は次々と命を
落としていった。
結果としてユーラシア大陸のような東西に伸びた大陸で
最も文明が発達し、豊かな国が生まれることとなった。
ちなみになぜユーラシア大陸の中で日本やイギリスといった
端っこに当たる国が栄えたのかについての考察については
「文明の生態史観」を読むと良いかと。
- 文明の生態史観/梅棹 忠夫
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要約すると以上なわけですが、この歴史観から
僕らは何を学ぶべきか。
同じような疑問を今の状況に当てはめて考えることが
この歴史を学ぶ意義だと思う。
単に過去を知るのではなく、過去を知ることによって
今に生かすことが重要なわけで。
なぜ世の中にはシリコンバレーのようにベンチャーが
育つ地域があるのか。また日本でも同様になぜネットの
ベンチャーは東京に集中するのか。
これらを踏まえたうえで上の要約の文章を現代の
インターネットという市場に当てはめて考えてみると
どうなるだろう?
・農業に適した地域とは?
・狩猟民族とは?また農耕民族とは?
・食料の生産性とは?
・銃とは?
・鉄とは?
・野生動物とは?
・病原菌とは?
さて皆さんならどう考えますか?