先ほどのエントリーで2006年の個人的予測の振り返りをしましたが
http://ameblo.jp/usami/entry-10022441837.html


とりあえず来年を考えるにあたってニュースサイトや


ブログでどんなことが言われているのかを俯瞰できるように


一覧にしてみました。


【IDGNS予測】米国IT業界、2007年のムーブメント
http://www.computerworld.jp/news/trd/54749.html

・たかがVista、されどVista
・グーグルが牽引するWebコンテンツ分野
・標的にされるMP3ファイル
・スパム、スパム、スパム
・Zuneはどこへ?
・後を絶たない企業スキャンダル
・Wi-Fi時代の幕開け
・OSSベンダーと手を組む「ソフトウェアの巨人」
・Web 2.0はともかく……
・買収する企業、される企業
・進む通信の融合


「人類皆ゲーマー」に---シリコンバレーの有力紙San Jose Mercuryが2007年10大予測
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20061226/257756/
1.すべてはあなた次第(It's all about 'you')
2.コンテンツはモバイルに(On the go)
3. 電気自動車はまだ死なず(Not dead yet)
4.Vistaは世界に火を点けず(Hasta la Vista, Baby)
5.人類皆ゲーマー(We're all gamers now)
6.個人情報が危ない(No secrets here)
7.太陽電池は昇る(Here comes the sun)
8.カウチポテト族の夢が現実に(Couch potatoes celebrate)
9.LEDが蛍光灯を代替へ(Get the LED out)
10.位置情報サービスがブレイク(I can find you now)


2007年のトレンド──ソフトウェア編
http://www.computerworld.jp/topics/Vtl/54129.html
・Windows Vista
・SaaS(Software as a Service)
・仮想化
・BI(ビジネス・インテリジェンス)
・オフィス・スイート
・SOA(サービス指向アーキテクチャ)


2007年のトレンド──ネットワーク編
http://www.computerworld.jp/news/mw/54232.html
・標準化に先行して製品化が進む高速Wi-Fi規格
・自治体が運営する無線ネットワーク
・特許紛争が頻発する無線業界
・モバイルWiMAXを大手キャリアが採用
・活発化する買収・合併の動き

大胆予測:2007年に勃発するIT業界の重大事件
http://www.computerworld.jp/topics/nb/55609.html
・サンが主役の座に復帰
・8CPUのコンピュータが5,000ドル未満で
・SaaS需要が爆発──IT部門の影響力は低下
・シスコがウイルス対策ベンダーを買収
・されど、オープンソースJavaにはインパクトなし


■IDC:「IT業界にとって2007年は大激動の年」
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20340085,00.htm


■Web 2.0という時代の先にあるもの
http://japan.cnet.com/column/mori/story/0,2000055916,20340040,00.htm


■ニコラス・カーの2007年予測とデイブ・ワイナーの「バブル2.0の崩壊」予測
http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/20061204/carrpredictions
・Meg Whitman が eBay を退社する
・マイクロソフトの株価は Google を凌ぐ
・オラクルが SaaS の分野に本格的に乗り出す
・非営利の検索エンジンが登場し、賞賛とともに市場シェアを獲得
・ブロゴスフィアは賄賂スキャンダルで混乱
・Dave Winer がファンファーレでもってブロゴスフィアを引退するが、二ヵ月後には再開





将来の予測をするうえで重要なのは3年から5年ほど続く


マクロトレンドを抑えること。


例えば数年前であればブロードバンド普及のような


インフラ面でのトレンドが重要であった。



しかし今後は、重要となってくるのは、インフラレイヤーの


トレンドよりも、その上のアプリケーションレイヤー、


ライフスタイルレイヤーのトレンドだと思う。


そういう意味で今後抑えておくべき、重要なトレンドは


下記の3つだと思う。


1.個人の情報発信力がより強くなっていく。


2.モバイル端末がより生活に浸透していく。


3.リアルとネットが融合していく。



今年はこの3つのマクロトレンドからそこからどんなことが


引き起こされていくのかを予測してみたい。



1.個人の情報発信力がより強くなっていく。


これはブログやSNSのように個人が情報発信を簡単に無料で出来るようになったということが背景にある。ビジネスという観点からは今までそういった個人の発言空間はマネタイズしにくいエリアであったが、コンテンツマッチ広告やアフィリエイト広告、更にはポイントといった仕組みが普及することによって小さな個人サイトやブログでもそれなりに収益を生むことが可能となった。

これはメディアにおけるロングテールでもある。ヤフーなどのヘッド部分のメディアは、このテール部分のメディアによって長期的にはトラフィックを効率よく収益化する力は落とされていき、ヘッド部分に依存するメディアはコスト構造の見直しをせざるをえなくなってくるだろう。

これは更に一歩引いてみるとインターネット広告メディアだけではなく、広告メディア全体に当てはまる構図でもある。ヘッドの頂点に位置するテレビでさえも、インターネット広告の伸びとシェア(特にテール部分のメディアの爆発的な伸びとシェア)によって収益力が悪化し、結果としてコスト構造を見直さざるを得ないときがくると思われる。
これは言い換えるとブランディング広告と販促広告の差が無くなってくるという見方も出来る。これは検索エンジンを主導とした新たな広告市場を創りあげる反面、既存の広告市場で既得権であぐらを書いていた企業にとってはより厳しい時代になっていく。

一方、ロングテールにあたる個人サイトの力が単に発言力だけではなく、取りまとめることで新たな価値を生み出していくようになっていく。ブログやSNSを活用したマーケティング手法や、有名ブロガーをネットワークした広告ビジネスなどの新しいビジネスが今後もどんどん生まれてくるだろう。しかし一方でブログやSNSの炎上など個人の情報発信が可能になったことにより新たな社会問題が頻発化していくことによって法的な規制が入る可能性も出てきている。



2.モバイル端末がより生活に浸透していく。


これは携帯端末が単に電話やメールといったコミュニケーションを取るためのものだけではなく、何かを調べたり、ショッピングしたりと、個人の生活の中で「行動の起点」となるシーンが増えていく。結果として、モバイルサービスそのもので言えば、生活に必要なサービスが更に増え多様化していく一方で、今まで携帯を活用してこなかったサービスにおいても、ユーザー導線の中にモバイル端末を組み込んで再設計していく必要が出てくるだろう。


3.リアルとネットが融合していく。


これは何を今更という感じがあるかもしれないけれど、これを本当に実感するようになっていくだろう。これは個人のネットへの接触時間、接触頻度が増えていくことでネットへの依存度が高くなっていくことが背景にある。

最近のテレビCMのように「●●と検索してね」という形でリアル側のほうからネットへの擦り寄りが更に進んでいくというのは、単にこのトレンドの一側面に過ぎない。このトレンドの本質はネットの空間的、時間的価値が増大していくことで、ネットの中で生産活動と消費活動の2つが出来るようになっていくということである。MMORPGでのRMTやamazonのMechanicalTurkのようにのようにネットの中での生産活動(労働)が可能になるのは一例に過ぎない。今後はリアルの中でこれらを繋いでいた貨幣のような、徐々にネットの中でもこれらの生産と消費を繋ぎとめる存在の「何か」が出て、不特定多数同士による「交換」が可能になっていく。

つまり『リアルでの生産活動と消費活動』と『ネットでの生産活動と消費活動』が今までそれぞれバラバラに存在していたが、今後はこれらが「何か」によって繋がっていく。うーん、違うな。今までもリアルでの生産活動とネットでの消費活動は繋がっていた。しかしネットでの生産活動とリアルでの消費活動はほとんど繋がっていなかった。それぞれの世界が相互に交わり始めていくことがリアルとネットの融合の本質なんじゃないか。

このインターネットというグローバルに繋がった空間の中での生産活動と消費活動の発達、及びこれに伴う交換の発生は「税金」をどうするかという非常にやっかいかつ、難しい問題をクローズアップさせる。インターネットの生産活動にどうやって課税していくかは、今後のインターネットの発展において大きな課題となるだろう。