塩野 七生
ローマ人の物語〈4〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前

パソコンのファイルの中を整理していたら、以前読んだこの本から


抜粋したメモが出てきました。


こんな珠玉の言葉が一杯入っているこの本は本当にオススメです。


抜粋に僕のコメントも書いてみました。




・人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ない。

⇒これはカエサルの言葉。目の前にあるのに見えない人が世の中には多いです。王様の耳はロバの耳って奴です。


・秘密とは、それを所有する者の権力を増すうえで、最も有効な手段である。

⇒インターネットは情報格差を無くすものとして出てきました。だからこそ検索エンジンやブログが非常に大きなインパクトを持っているわけで。


・増税は減税と組み合わせてこそ実現も容易になる。

⇒アメとムチ。


・1つの目的のために完璧につくられたことは他の目的のためにも役立つ。

⇒ローマ街道のこと。特にインフラはこれが当てはまる。


・経済人ならば政治を理解しないでも成功できるが、政治家は絶対に経済がわかっていなければならない。

⇒今の政治家に聞かせてあげたいです。


・たとえマイナスがあってもそれをプラスに転化しうる才能は、創造者のそなえもつ才能である。

⇒創造者をリーダーと置き換えてもいいと思う。


・イメージが先行すること自体は悪いことではない。悪いのは、具体的なことは何ひとつ伴わず、イメージのみが独り歩きする場合である。

⇒実行。


・満足した人々が従いてくるからこそ、大事業も成功するのである。

⇒誰もが不満を抱いている状態では、大事業はおぼつかない。


・経済の活性化は、富の格差を生まないではすまない。

⇒富の格差を是正する役割としての国家がある。


・ローマ人は負けたままで放置しなかった。

⇒不屈の精神。「負けたと言うまで勝っている」と金八先生も言っていました。


・価値観さえ共有していれば、妥協は常に可能である。

⇒価値観と危機感。これを社内で共有することが経営者の最大の役割。これさえ出来れば後は全て流れるように進んでいく。


・自由と秩序は互いに矛盾する概念である。自由を尊重しすぎると秩序が破壊され、秩序を守ることに専念しすぎると自由が失われる。だが、この2つは両立していないと困るのだ。自由がないところには進歩がなく、秩序が守られていないと、進歩どころか今日の命さえ危うくなるからだ。

⇒このバランスが難しい。振り子のように揺れながらその時、その場で最適なバランスを取っていく必要がある。それが経営だと思う。


・公正を期してつくられるのが法律だが、そのあまりにも厳正な実施は不公正につながる。

⇒社内のルールもそう。ルールに縛られてしまって本当の目的がおざなりになってしまっては本末転倒。


・平和とは、神々に祈願しても、それを達成するのはあくまでも人間の仕事である。

⇒景気とは神々に祈願しても、予算を達成するのはあくまでも我々の仕事である。


・統治とは、統治される側の人々までが納得する何かを与えないかぎり、軍事力で押さえつけようが反対者を抹殺しようが、永続させることは不可能事だからである。

⇒納得性。これは人事制度上とっても重要。これが良い人事制度のキーワードだと思う。


・古代ギリシア人やローマ人の考えによる市民とは、自分達が所属する共同体の自治に参加する権利を持つと同時に、その共同体を防衛する義務をもつ人とされていた。

⇒権利と義務。最近は権利ばかり主張する人が多くなってきた気がします。